エストロモンの併用禁忌・注意薬を知っておこう

 

ほとんどの医薬品には、「併用注意」や「併用禁忌」とされる医薬品があります。エストロモンにもそういった医薬品があるため、気づかずに併用しないよう、あらかじめ知っておくことが大切です。

 

ここからは、エストロモンとの併用が、注意・禁忌となる医薬品について説明していきます。また、よく使用される医薬品との相性についても見ていきましょう。

 

エストロモンの併用禁忌薬って何?

 

併用禁忌薬とは、ぜったいに併用してはいけない薬のことをいいますが、エストロモンには併用禁忌となる医薬品がありません。そのため、エストロモンにかんしては、併用禁忌薬を服用してしまう危険性はないといえます。

 

ただし、注意したいのは「禁忌事項」です。これは、エストロモンを服用するうえで、知っておいたほうがよいでしょう。

 

  1. エストロゲン依存性腫瘍(例えば乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者
  2. 腫瘍が悪化したり、顕性化する可能性があるため。

     

  3. 乳癌の既往歴のある患者
  4. 血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者
  5. エストロゲン摂取により、血栓ができやすくなる傾向があるため。

     

  6. 動脈性の血栓塞栓疾患
  7. エストロゲン摂取により、血栓ができやすくなる傾向があるため。

     

  8. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  9. エストロモン(プレマリン)を服用して過敏症の症状が出たことがある人は、再び服用することはできない。
    →過敏症副作用

     

  10. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  11. →妊娠中・授乳中の服用は禁止!赤ちゃんの影響大

     

  12. 重篤な肝障害のある患者
  13. エストロモンの代謝のために、肝臓に負担がかかるため。

     

  14. 診断の確定していない異常性器出血のある患者
  15. 未治療の子宮内膜増殖症のある患者

 

エストロモンの併用注意薬を把握しよう

 

エストロモンには、併用注意となる組み合わせがいくつかあります。これは、併用禁忌とまではいきませんが、安易に併用するのは避けたほうが無難です。

 

イプリフラボン

 

イプリフラボンは、オステンという名称で販売されている医薬品です。骨粗しょう症の治療薬として処方されており、骨が弱くなることを防ぐ効果があります。植物性のビタミン様物質であるイプリフラボンが骨に作用することで、破骨細胞の活動を弱めることができます。

 

また、イブリフラボンを服用することで、エストロゲンのはたらきを促進させる効果が期待できます。エストロゲンは、カルシウムが骨から溶けだすのを阻害するという役割ももっています。つまり、骨粗しょう症対策として、イブリフラボンはダブルの効果があるのです。

 

しかし、イブリフラボンとエストロモンの相性はあまりよくありません。なぜかというと、併用することで、エストロゲンが過剰に作用してしまい、さまざまな問題をひきおこすリスクがあるからです。エストロゲンそのものであるといえるエストロモンに、イプリフラボンの作用がかさなることで、体内のエストロゲンの力が強まりすぎてしまうのです。その結果、乳房痛や不正出血、むくみといったさまざまな副作用リスクが高まってしまいます。そのため、安易な併用は避けるべきでしょう。

 

一般的に、骨粗しょう症は女性に多くあらわれる症状だといわれています。そのため、知らずにイブリフラボンとエストロモンを併用してしまう可能性はあるでしょう。このように、うっかり併用してしまうリスクを防ぐためには、医師とのコミュニケーションが大切です。骨粗しょう症の治療をするのであれば、エストロモンを服用中であることを、あらかじめきちんと伝えておきましょう。

 

血糖降下剤(ダオニール、グリミクロンなど)

 

  1. グリベンクラミド(オイグルコン,ダオニール)
  2. グリクラジド(グリミクロン)
  3. アセトヘキサミド(ジメリン)

 

血糖降下剤は、糖尿病治療のために処方される医薬品です。しかし、エストロモンを服用中であるなら、併用注意となります。その理由は、耐糖能を低下させ、血糖をあげるという作用をエストロゲンがもっているからです。そのため、せっかくの血糖降下剤のはたらきを、エストロモンの作用が弱めてしまうことになります。つまり、血糖が上昇しやすくなってしまうのです。

 

副腎皮質ホルモン

 

プレドニゾロンは、プレドニンという名称で販売されている医薬品で、副腎皮質ホルモン製剤のひとつです。この副腎皮質ホルモンの作用を、エストロゲンが抑制してしまうため、エストロモンと併用注意となっています。

 

この副腎皮質ホルモンの用途ははばひろく、さまざまな治療に使用されています。そのため、エストロモンを服用しているなら、うっかり見逃さないよう頭に入れておきましょう。

 

よく使われている医薬品との飲み合わせ解説!

 

ここまで、エストロモンと併用注意となる医薬品について解説してきました。しかし、ふだんからよく使用する医薬品だからこそ、エストロモンとの飲み合わせが気になるという人もいるでしょう。

 

ここからは、一般的に広く使用されている医薬品について、エストロモンとの相性を確認していきましょう。

 

風邪薬(パブロン・ルル・ムコダインなど)

 

エストロモンは服用が長期化しやすい医薬品です。そのため、その期間中にかぜをひくこともあるでしょう。そういったとき、かぜ薬を飲んでもよいのでしょうか。

 

医薬品名

効果

アスベリン

咳止め

アストミン

咳止め

フスコデ

咳止め

メジコン

咳止め

レスプレン

咳止め

アンブロキソール

喉の炎症を鎮める

エンピナース

喉の炎症を鎮める

 

ムコダイン

咳止め、痰切り、鼻づまり防止

 

↑はかぜでよく使用される医薬品です。とくに、ムコダインはほとんどのかぜの症状に効果があるといわれています。

 

これらの医薬品は、エストロモンと併用しても問題ありません。つまり、慎重に服用するという必要もないのです。エストロモンとかぜ薬のそれぞれに決められている用法・用量を守るだけでよいでしょう。

 

よくあるかぜの症状であれば、医師の診察をうけずに、薬局などで市販のかぜ薬を購入する人も少なくないでしょう。パブロンなどのような市販のかぜ薬には、たいていアセトアミノフェンが含まれています。このアセトアミノフェンは、エストロモンとの併用OKとなります。

 

このように、一般的なかぜ薬であれば、エストロモンとの併用を心配する必要はありません。併用リスクを意識するあまり、かぜを悪化させたり長引かせてしまったら本末転倒です。まずは、しっかりかぜを治すことを考え、しっかりと薬を飲みましょう。

 

解熱・鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレン、バファリンなど)

 

使用頻度の高い医薬品のなかには、解熱剤や痛みどめも含まれます。なかでも「NSAIDs」は痛みどめとしてよく知られている医薬品です。

 

ロキソニン(ロキソプロフェン)、ボルタレン、イブプロフェン、アスピリン、ロルカム、ポンタール、インドメタシン、ペオン、ポンタールなど

 

これらはすべて「NSAIDs」とよばれる医薬品です。市販薬として有名な「イブ」や「バファリン」は、ほとんどの人が知っているのではないでしょうか。

 

気になるのはエストロモンとの飲み合わせですが、NSAIDsとエストロモンは併用しても問題ないといわれています。たとえばエストロモンを服用中に、なんらかの痛みの症状がでた場合、市販のNSAIDsを服用すればよいでしょう。

 

とはいえ、例外もあることを知っておきましょう。エストロモンには消化器系の副作用がでることがありますが、NSAIDsにもおなじような副作用があるのです。そして、それぞれの症状がかさなった場合、重症化しやすい傾向があります。いずれかひとつの副作用であれば、食欲が落ちたり、胃痛といった軽めの症状でおさまることがほとんどです。しかし、併用することで症状が重くなると、胃潰瘍のような深刻な症状にいたるケースもあります。そのため、ロキソニンなどの痛みどめを併用するときは、かならず食後に服用するなど、ただしく服用することが重要です。エストロモンを服用中に、なんらかの不調を感じたなら、しっかりと対策をしましょう。たとえば、NSAIDsをエストロモンと併用する際は、あらかじめ胃腸薬を飲んでおくなどして備えましょう。

 

胃腸薬(ムコスタ、ブスコパンなど)

 

日本人に多いといわれるのは、胃腸系の症状です。たとえば、胃痛や胸やけ、胃もたれ、下痢、便秘などで悩んでいて、胃腸薬が手放せないという人もいるでしょう。

 

ムコスタ、ブスコバン、ガスター、タケプロン、パリエット、ネキシウム など

 

↑は胃腸薬のなかでも、処方せん薬といわれるものです。胃腸薬にはたくさんの種類があるため、これらはほんの一部といえます。

 

こうした胃腸薬とエストロモンを併用したとしても、とくに問題はないでしょう。エストロモンの添付文書でも、胃腸薬との併用について、注意をうながす記載はありません。

 

ここまでに、エストロモンと鎮痛剤を併用すると、消化器系の副作用リスクがあると解説してきました。しかし、胃腸薬にかぎっては、副作用リスクを軽減してくれるというプラスの効果があるのです。そういった点からみると、エストロモンと胃腸薬は相性がよい組み合わせだといえるでしょう。

 

とはいえ、胃腸薬にはたくさんの種類があり、症状を改善させるためには、目的にあったものを選ばなくてはなりません。たとえば、暴飲暴食によって胃もたれの症状がでているときに、胃酸をおさえる胃腸薬を飲めば、症状を悪化させてしまうでしょう。もし、胃腸薬を選ぶことに不安を感じるのであれば、医師に相談してもよいでしょう。

 

抗不安剤・精神安定剤・睡眠薬(デパス、パキシル、マイスリーなど)

 

ほかにも、エストロモンと併用する可能性が高い医薬品として、睡眠剤や抗不安剤があげられます。

 

抗不安薬 デパス、ワイパックス、ソラナックス、メイラックス、レキソタン、デパケン、セルシン、ホリゾンなど
睡眠薬 アモバン、ルネスタ、ロヒプノール、レンドルミン、ベンザリンなど
抗うつ薬 パキシル、ルボックス、レクサプロ、サインバルタなど

 

これらの医薬品は、基本的には併用OKとなります。併用リスクとしてよくある、たがいの効果を打ち消すといった心配もありません。

 

しかし、睡眠剤や抗不安剤で消化器系の副作用がでる人は注意が必要です。発生する確率は0.1%~1%ほどとほんのわずかですが、エストロモンの副作用が同時にでてしまう可能性も否定できないからです。とはいえ、睡眠剤や抗不安剤によって胃腸系の不調がでるリスクは、NSAIDsにくらべればずっと低いといえます。ぜったいに発生しないわけではないですが、そこまで不安に感じる必要はないでしょう。

 

花粉症治療薬(アレグラ、アレロック、ザイザルなど)

 

花粉症の人にとって、冬から春はつらい季節だといえるでしょう。長期にわたってエストロモンを服用していて、「花粉症の治療薬が併用できないとこまる」という人は少なくないはずです。

 

代表的な花粉症治療薬として、アレグラやクラリチン、アレロックなどがあります。これらの医薬品は、エストロモンと併用してもリスクは少ないといわれています。花粉症治療薬には眠気がでやすいという特徴があるため、睡眠薬との相性はあまりよくありません。しかし、眠くなりにくいエストロモンであれば、基本的には併用リスクが少ないと考えられます。

 

しかし、くり返しになりますが、消化器系の副作用がでた場合は要注意です。エストロモンを服用していて、胃腸にかかわる不調がでた場合、副作用が重複してしまう可能性があるからです。そのため、もともと胃腸系の症状がでやすい人が花粉症治療薬を併用する場合は、注意が必要です。

 

エストロモンの併用・飲み合わせまとめ

 

エストロモンには併用禁忌薬がありません。また、併用注意とされる医薬品も比較的少ないといえます。そのため、併用する危険性について、あまり心配する必要はないでしょう。

 

  1. イプリフラボン
  2. 血糖降下剤(ダオニール、グリミクロンなど)
  3. 副腎皮質ホルモン

 

↑は併用注意とされるものです。これだけは覚えておくとよいでしょう。

 

一般的によく利用されている医薬品との併用で注意するポイントは、消化器系の副作用です。エストロモンのほかにも、さまざまな医薬品に胃腸系の副作用がみとめられています。併用すると症状悪化のリスクは高まるということだけは、理解しておきましょう。

 

医薬品のほとんどは、肝臓や腎臓のはたらきによって代謝・排泄されています。そのため、医薬品をたくさん飲んでいる人は、肝臓や腎臓にたくさん負担をかけていることになります。健康診断などで肝臓の数値に異常があるなどの指摘をうけているなら、エストロモンの服用量をへらすなどの対策をしましょう。これは、エストロモンだけでなく、すべての医薬品にいえることです。医薬品の種類を増やすことを、安易に考えないほうがよいでしょう。